慢性硬膜下血腫の原因・症状と手術の詳細

2016年11月に岡山県にある湯原温泉に一泊二日の予定で夫婦二人でドライブ旅行をしました。大阪から3時間弱のところにあり昼下がりに出発しても夕方の明るいうちに旅館に到着できます。

宿泊した旅館は源泉かけ流しの湯で庭園露天風呂もあります。料金はリーズナブルに設定されていて部屋もきれいでした。

食事はバイキング方式で好きな料理を好きなだけ楽しめます。和食に洋食・中華と年配の方からお子様まで満足いただける豊富なメニューです。飲み放題メニューもあり宿泊費に1,500円追加でビール・ワイン・ウィスキー・酎ハイ・焼酎・日本酒等二十数種類のアルコール類がセルフサービスになりますが飲み放題です。

ここからが慢性硬膜下血腫になった天国と地獄の入り口です。

アルコールが大好きな私は飲み放題ということもあって調子に乗り何杯飲んだかわからないくらいにのんでしまいました。まずは生ビールから始まりワイン・冷酒・熱燗・酎ハイと続き最後にいつも家で飲んでる芋焼酎のお湯割りで締めくくりました。料理はうまいし酒もうまい！！その時は大満足で部屋に帰り大の字で眠りにつきました。ここまでは天国でした。

当然夜中にトイレに行きたくなりますよね～　部屋の明かりも少し点けていたのでトイレの入り口までは問題なく行けました。が、しかしここからが、地獄の始まりです。洗面台の前で酔っ払っていたからなのか浴衣の裾を踏んでしまったのかわかりませんが思いっきり転んでしまいごみ入れの角に頭頂部をぶつけてしまいました。出血したのでタオルで朝まで押さえていたら出血は収まり傷口が痛いくらいで大事には至りませんでした。

翌朝チェックアウトをして日本三大山城の一つに数えられ、雲上から天守を覗かせる姿で有名になった名城の備中松山城を遠目で見て（雲海は出ませんでした）その近くを観光して無事大阪に帰りました。

あくる日の夕方になり首筋とこめかみあたりが痛くなり頭を打ったせいで鞭打ちにでもなったのではと思い整形外科を受診しました。首のレントゲンを撮りましたが異常はなく目を閉じて手を前に挙げてみてくださいと言われましたが異常はありませんでした。その時はなぜ手を前に挙げるのかという意味も分かりませんでした。湿布を処方してもらいしばらく様子を見てまた来てくださいとのことでした。

痛みも治まり日常の生活を送っていたのですが2か月が過ぎた年明けの正月あたりから自転車のカギを落としたり小銭入れの小銭が取れなくなったり頭がふらつくようになりましたが大したことではないと思い放置していました。

1月10日のえべっさんの日に近くの神社にお参りしようと家族で出かけましたが酔っ払いのように足がふらふらしてまっすぐ歩くことができません。それでも神社にはお参りを済ませましたが帰り道は家内に腕を支えてもらいやっとの思いで家につきました。

その日の夕方近くの内科へ行き「先生、足がふらついて歩けません」、と訴えたところ「目を閉じて手を前に挙げてください」と言われその通りにしましたが即、日赤病院に行きなさいと言われ医院からタクシーで日赤病院に行きました。紹介状を見た先生に頭のCT画像を撮りましょうと言われ検査しました。また今日は何月何日ですかとかここはどこですかとかお名前を教えてくださいとか言われましたが名前や病院はわかるのですが何月何日というのが全然わかりませんでした。CT画像の結果慢性硬膜下血腫と診断されました。慢性硬膜下血腫という言葉は今まで聞いたことがなく病名も知りませんでした。頭を打ったりしてから1～2か月かかり硬膜下に血腫ができるそうです。けがをしてすぐにはわからないのです。目を閉じて手を挙げるのはどちらか片方が下がってくるそうです。

治療法としては頭蓋骨にドリルで穴をあけチューブを挿入して一日かけて自然と血を抜きます。明日の朝に手術しますとのことで怖がったり心配する暇もありませんでした。

翌朝手術室に運ばれ頭だけの局所麻酔で手術が始まりました。ドリルで穴をあけるゴリゴリという音が聞こえ痛みはありませんが頭蓋骨に響いています。穴を右と左に二か所開けチューブを挿入し絆創膏で固定して完了です。

その翌日右３０㏄左１００㏄の血が抜かれました。チューブを外し穴を糸でふさぎこれで一応終わりです。傷がふさがり抜糸が済めば1週間で退院です。

血が抜けると今までが嘘のように手も上がるし日にちも引き算も分かるようになりました。ただし頭蓋骨に穴をあけるので傷がふさがっても丸くへこんでいますがこの治療法を考えてくださった医学博士に感謝感謝です。

皆さんも頭を打った後しばらくはこのような症状が出て来ないかよく気を付けてください。またお酒の飲みすぎにも気を付けていただきたいです。

先日脳のMRIを撮ったのですが大変きれいな脳で海馬もきれいですよと太鼓判を押していただき安心しました。くれぐれも飲みすぎ注意です！！